近年マンチェスターは、ロンドンより物価が安く日本人も少ないこともあり、留学先として徐々に人気が出てきています。
わたしもイギリスのマンチェスターに留学し、さまざまなホームステイ先を見てきました。
そしてこのホームステイに関する問題は、多くの留学生が抱える問題のひとつでもあります。
わたしの留学していた語学学校でも、毎日のようにホームステイ担当のオフィスには問題を抱えた生徒たちが並んでいました。
ホームステイは現地の生活を体験できる、英語が話す機会が増える等とされていますが、実際には移民が多く、対応もホームステイ先の家族によりけりで想像していたものと違った、ということは少なからずあります。
そんな中で、私が体験した最悪なホームステイの特徴と、対処法や反撃用英語フレーズについて見ていきます。
目次
留学生をメイドやベビーシッターだと考えている

日本からホームステイ先到着後、荷物を置いてすぐカビだらけの部屋へ案内されました。待ってましたと言わんばかりに掃除させられ、掃除が終わったのが深夜だったのでバスルームさえ使わせてもらえませんでした。
その後も毎晩メイドのように掃除をさせられる日々が続きました。ホストマザーは夕食の準備以外やらないため、夕食後ホストファミリーは食べ終わった食器をすべて机に残したままテレビを見にリビングへ行きます。
わたしたち留学生は、家族全員の食べ終わった食器を台所へ運び、使った調理器具をすべて洗う。それが終わったら赤ちゃんが食事で汚した物すべて掃除し、キッチンと家の床を磨く。それだけで毎晩2時間近くが消えていきました。
週末も家の掃除や急にホストマザーの趣味のために赤ちゃんの面倒を見るように言われ、クラスメートともなかなか出かけられませんでした。これがわたしの最初のホームステイで、約一ヶ月後ここを去ることになりました。
もしあなたがこの状況に不満なのであれば、そんなときは”It's not my job.”や”I'm not your employee”などと言いましょう。
とにかく勇気を持ってNOと言いましょう。それで居心地が悪くなればステイ先チェンジも視野に入れましょう。
自分の使った物や場所を綺麗にするのは当然ですが、度を超して要求される場合は断るか、学校に相談しましょう。
ホストファミリーが話してくれない

わたしのホストマザーは中東からの移民で、母国語は英語ではありませんでした。英語は話せるのですが、とても聞き取りにくく、また性格も短気でした。
わたしが一度で聞き取れないと、ため息まじりに頭を手で押さえて首を横に振り、「もういい」と言われ去って行き、それ以上こちらが聞いても教えてくれることはありませんでした。
掃除などの必要事項はいつも日本人の先にいた留学生に全部日本語で説明させていました。
ときどき聞き返せば「あなたってなに勉強しにきたの?」と見下すような目つきで言われていました。
また、答えてもくれないときもあり、このコミュニケーションの問題はとてもつらかったです。
英語が上手くまだ話せなかった自分にも問題はあったとしても、これではホームステイの価値を見いだせませんでした。
「もっと話してほしい、教えてほしい」と自分の意見を伝えたい気持ちがあれば"I'm still studying English, and I'm not confident in my English ability. So please could we talk more to me?"
と言うことも可能ですが、この手のタイプはそう簡単には変らないと思います。
ステイ先によっては忙しいご家庭もありますが、精神的な苦痛を感じるのであれば学校に報告しましょう。
ホストファミリーの過干渉

わたしのホームステイ先は学校から遠く、帰るのにバスを乗り継いで1時間以上かかるところにありました。授業内で発表など課題があるときは学校に業後残らないといけなかったため、どうしても門限の7時に間に合わないときがありました。
そのことで、「いつもあなただけ帰りが遅く門限を守らない」と毎回怒られていました。一人だけ夕食の時間に間にあわず後から食べるのが許せないそうです。
またやたらと食事マナーに口出ししてくるホストマザーもいました。見たことがない、生地を薄く焼いたパンのような物が食事で出されたときに、とりあえずフォークとナイフで食べました。
そうしたところ、「食事のマナーがなってない。これは手でちぎって食べる物なのに」と夕食の席で、みんなの前でわたしの食事マナーに対する批難を始めました。
留学先で見たこともない食事を出されることはよくありますが、このときばかりはとても居心地が悪かったです。
過干渉の場合は、何か言うと言い合いになる可能性もあるので、家族のやり方だと思って受け入れるか、程度によっては学校に相談がいいと思います。
家庭のルールや考え方の違いはぶつかりやすい壁です。こちらは我慢するしかなかったですが、あまりにひどいときは学校から電話をして授業内容や課題について報告してもらうことで改善しました。
ホストファミリーとの強い差別

留学生の朝食は薄い食パン二枚まで(2枚併せて日本の食パン6枚切りぐらいの厚さ)、夕食は食パン1枚と豆の缶半分と薄切りキュウリ4枚。(合計で一人30円ぐらい)
対してホストファミリーは私たちの前でチキンカレーにシーサーサラダとナンを食べていました。
またイギリスの冬場は冷え込むのですが、ホストファミリーが出かけるときはいつも暖房を消すのでひどい風邪をひき、ホストマザーから家族にうつるといつも文句をいわれていました。
家族は好きなだけ自分たちの風呂を使えるのに対し、わたしたちは一人10分まで。1つのバスルーム(トイレとバスタブと手洗い場が一緒)を8人の女子学生でシェアしたら当然寝るのは深夜過ぎになります。
いつもバスルーム前に行列ができるのですが、特に外国人の子は「わたしすぐ終わるから先使うね!」って感じで要領良く、ささっと順番抜かす人が多かったです。
また別のステイ先では、ステイ先ファミリーは家で過ごすのに対して、留学生たちには部屋とは呼びがたい倉庫のような場所が部屋として提供されました。
そこにはたくさんの物が置いてあって、隅にベッドがありました。倉庫なので、ほこりや虫が多く、ときどき家族は物を取りにノックもなく入っくるのでプライバシーもない状態でした。
窓もなく、空気は悪く立ちこめるような熱気でいっぱいでしたが、さすがに夜倉庫のドアを開けたまま寝るのも心配だったので、暑さに耐えるしかありませんでした。
状況にもよりますが、理不尽だと伝えるときに”It's unfair.”と言うことができます。しかしながら、
正直なところ、居住スペースや食事を提供することだけがステイ先の義務になっており、そのクオリティーというのは保証されていません。納得いかない場合は写真など、証拠を集めて学校側に提出すると良いでしょう。
ホームステイ先で物がなくなる

ほとんどの場合、家族は留学生の部屋に鍵をかけられないようにしてあります。その中で一番怖いことが、貴重品がなくなること。
わたしも金銭類はすべてスーツケースに入れて鍵をかけておきましたが、全てのものを毎回しまうのは難しく、外に出しておいた物で取られてしまった物もありました。
そこまで高価な物ではないけれど、小さな電化製品などをとられたことがありました。誰かは不明ですが、その日退去の同室の留学生がいました。特に退去時は取られやすいので注意が必要です。
別のホームステイをしていたクラスメートの中には現金やカード類すべてを取られた、と言う人もいました。
もしホストファミリーに直接その事実を伝えるならば"My thing was stolen."や"I was stolen my○○."と取られた物について報告できます。
ただステイ先のファミリーがやっていた場合は意味がないですが。
盗難に遭った留学生たちが口をそろえて言うのは、学校は何もしてくれなかった、ということです。
高額な保険に留学前にセットで加入をさせられますが、結局「自分で警察に行って」と言われるだけで、証拠もないステイ先内の盗難に誰も助けてはくれません。
ステイ先とは言え、他人と一緒に暮らすと言うことを念頭に置き、貴重品はもちろん身の回りの管理は気を緩めず行いましょう。
ホームステイ先を見てきてわかったこと

残念ですが、留学斡旋会社もステイ先もほしいのはお金です。留学前は当然良いことをたくさん言ってきます。それはどこに留学に行くときも同じでした。
ここで共通して言えるのは、みな小さな子どもや赤ちゃんがいて、住む場所を提供する代わり、子どもの世話や家の手伝いをしてほしい、且つお金も手に入る、「ホームステイ」という名のビジネスです。
家によって異なりますが、wifiやトイレットペーパー、洗濯などは有料でお金を取られました。洗濯は一回利用で平均で700~1000円ほどでした。
なのでホームステイとはいえど、生活費の出費もありました。
日本では珍しいことですが、特にイギリスのように家賃代が高騰している国では空いている部屋を他の人に貸し、そのお金を生活費にしていることはよくあることです。
つらいホームステイ先で苦しまないために

せっかくの留学が、こんなことになってしまったら残念ですよね。
わたしは自分の経験を通して感じたことは、ホームステイにあまり期待しない方がいい、というのは皆さんすでにお気づきかと思いますが、それに併せて自己主張をする、ということが大事です。
わたしは典型的なおとなしい日本人で、何も言えませんでした。ですが、ある時NOといえない限り何も変わらないことに気がつきました。
ホストファミリーに理不尽なことを言われたら断っていいし、後味が悪くなって居づらいならステイ先を変わってもいい。
長らく見てきて、黙っている留学生はずっと最悪なホームステイを押しつけられて、強く主張できる子たちがどんどんステイ先が変わっていくのを目にしました。
そこでわたしは、証拠の写真や、怒鳴り声などを録音をし、ホームステイの現地担当者に提出しました。
それでも「留学生は家族の一員だから、受け入れるがあたりまえ」と言われ追い返され続けましたが、違う担当者や日本のエージェントにも交渉をしました。あるクラスメートは同じステイ先の留学生全員で校長室に押しかけて、直接交渉していました。
できることは全てして、わたしは主張が受け入れられるまで、異議を唱え続けました、その結果ステイ先のチェンジに成功。
その後、その先ずっとステイすることになったホストマザーに出会うことができました。
まとめ
ホームステイ先の問題は、渡航後早い段階で起こりやすいトラブルの一つです。
わたしたちはお金を払い、外国での経験や価値ある時間を過ごすために留学しています。その時間を無駄にしないためにも、おかしいと思ったら声を上げるようにしてください。
英語ができなければ、堂々とした態度で、ジェスチャーで示したりNOと言うだけでもいいんです。
特に外国では、「自己主張がない=現状満足」と取られがちです。苦しいですがこれも経験の一つだと思って、できることはやって最善を尽くしましょう。
最後は「反撃用に練習した英語フレーズ覚えられた!」ぐらいに思えばいいのです。
みなさんが充実した留学生活を送れるよう祈っています。諦めないで、トライしてくださいね!